歯科・クリニックのホームページ改修でいただくご相談は、「開業のときに作ったまま何年も経っている」「大きく作り直すほどの予算はないが、このままでは近隣の医院に見劣りする」という中間の状態がほとんどです。
改修が決めきれないのは、直したい箇所が同時に見えてしまうからだと思います。ネット予約、スマホでの見え方、院内の写真、診療時間の更新、表示速度——どれも気になるけれど、全部やると費用が膨らみます。
先に費用の全体像だけお伝えします。当社の場合、部分的な改修は初期セットアップ費3〜5万円+必要な機能の積み上げ、サイト全体の作り直しは13〜80万円(いずれも税別)が目安です。中心になるのは標準リニューアルの25〜40万円あたりで、ここにネット予約を足すかどうかで総額が大きく変わります。
この記事では、医院サイトの改修について「どこで作り直しと線を引くか」「何から直すと予約に効きやすいか」「それぞれいくらかかるか」を、実際の見積もりに使っている金額とあわせて整理します。予約そのものを増やす打ち手は歯科・クリニックのホームページで予約を増やす方法にまとめていますので、この記事は「いま持っているサイトをどう直すか」に絞ります。
「部分改修」と「作り直し」はどこで線を引くか
判断材料は見た目の古さではなく、今のサイトを土台として使い続けられるかどうかです。
次の項目に3つ以上当てはまる場合は、部分改修を重ねるより作り直した方が結果的に安く収まることが多くなります。
- WordPressやテーマ・プラグインの更新が数年止まっている
- 開業時に依頼した制作会社と連絡が取れず、管理画面のログイン情報も分からない
- 休診のお知らせを出すのに、毎回制作会社へメールで依頼している
- スマホで見ると文字が小さく、横スクロールが発生する
- 診療時間の表がスマホではみ出して読めない
逆に、WordPressで動いていてお知らせの更新も自院でできている場合は、部分改修で十分に効果が出ます。「予約が電話しかない」「スマホの導線が弱い」など課題が特定できているなら、そこだけを直す方が費用対効果は高くなります。
判断がつかない段階で、作り直す前提の見積もりを取る必要はありません。 現状のサイトを調べたうえで「この部分は使える/ここは作り直しが必要」と切り分けるところから始められます。当社の場合、この現状調査とテスト環境の用意を含めた初期セットアップ費が3〜5万円(税別)です。一般的な開発会社の相場は10〜30万円ほどです。
作り直しが前提になる場合の全体像は、WordPressリニューアルの費用相場とサイトを作り直すべきサインに整理しています。
改修の効果が出やすい5か所(医院サイトの優先順)
限られた予算でどこから手を付けるかは、予約までの距離が近い順に決めるのが基本です。歯科・クリニックの場合、次の順番になることが多いと感じています。
1. 予約の入口
診療時間外に「予約したい」と思う患者さんを取りこぼしていないかを最初に見ます。電話番号しか置かれていないサイトは、夜間や休診日の検討をそのまま逃している可能性があります。
ネット予約の導入がすぐに難しい場合でも、初診の問い合わせフォームを整えるだけで受け皿になります。予約システムまで入れるか、フォームで受けて折り返すかは、受付の人員体制で決めるのが現実的です。
2. スマホでの初診導線
患者さんの多くはスマホで「地域名+歯科」「地域名+内科」と検索し、数院を見比べます。このとき最初に探されるのは、診療時間・休診日・アクセス・電話番号の4つです。
これらがスクロールの奥にある、あるいは画像で作られていて拡大しないと読めない状態は、改修で最初に直したい箇所です。画像化された診療時間表は、文字として読める形に作り替えます。
3. 院内とスタッフが分かる写真
医院選びで見られているのは、設備の説明よりも「どんな雰囲気の場所か」です。受付・待合・診療室の写真が1枚もないサイトは、初診の不安を残したままになります。
写真の差し替えだけならページの構造を変えずに反映できるため、費用を抑えて印象を変えやすい部分です。
4. 自院で更新できる状態
臨時休診・年末年始・診療時間の変更は、その日のうちに出せることに意味があります。制作会社に依頼して数日かかる運用だと、結局は院内の掲示だけで済ませてしまいがちです。
お知らせを自院で書ける状態(CMS化)と、それをトップページで見逃されない位置に出す仕組み(お知らせバナー)は、医院サイトでは組み合わせで効きます。
5. 表示速度
写真を多く載せるほどページは重くなります。特に古いサイトでは、撮影データをそのまま載せていて1枚が数MBというケースがあります。
画像の最適化だけでも体感が変わることが多いため、他の改修とあわせて実施すると費用を抑えられます。
改修メニューと費用の目安
当社の価格は、いずれも税別です。「大手相場」は一般的なシステム会社・開発会社の見積もり感(2026年8月時点の当社調べ)を併記しています。
部分改修は「初期セットアップ費(3〜5万円)+必要な機能」という積み上げで考えます。
| 改修メニュー | 当社の目安 | 大手相場 |
|---|---|---|
| 初期セットアップ費(現状調査・環境構築・テスト) | 3〜5万円 | 10〜30万円 |
| 予約・空き枠管理(24時間受付) | 25〜40万円 | 100〜300万円 |
| 予約リマインド・自動通知 | 8〜13万円 | 30〜100万円 |
| LINE連携(予約・休診案内の通知) | 10〜16万円 | 40〜120万円 |
| 高機能フォーム(初診受付・事前問診) | 8〜13万円 | 30〜60万円 |
| 自分で更新できる管理画面(CMS化) | 13〜20万円 | 50〜150万円 |
| お知らせバナー・ポップアップ | 5〜8万円 | 20〜60万円 |
| +お知らせの公開予約・管理画面 | 8〜13万円 | 30〜80万円 |
| クチコミ・評価連携表示 | 5〜8万円 | 20〜60万円 |
| 写真ギャラリー(院内・設備) | 8〜13万円 | 30〜80万円 |
| 多言語対応(1言語) | 13〜20万円 | 50〜150万円 |
| 表示速度改善 | 8〜13万円 | 30〜100万円 |
| SEO強化(構造化データ) | 8〜13万円 | 30〜80万円 |
| セキュリティ強化(SSL・WAF) | 8〜13万円 | 30〜100万円 |
サイト全体を作り直す場合は、次の区分になります。
| リニューアルの規模 | 内容 | 当社の目安 | 大手相場 |
|---|---|---|---|
| ライトリニューアル | 今あるページの見た目・スマホ表示・予約導線を整える | 13〜20万円 | 50〜120万円 |
| 標準リニューアル | 下層ページも含めWordPressで作り直し。動線見直しとSEO初期設計まで | 25〜40万円 | 100〜250万円 |
| 本格リニューアル | 構成・文章・写真の見せ方から全面的に作り直す | 50〜80万円 | 200〜500万円 |
歯科・クリニックでよくある組み合わせは、標準リニューアル+ネット予約+リマインド+CMS化です。この構成の概算はかんたん見積もりで条件を選ぶだけで出せます。社内で相談する前のたたき台にお使いください。実際の医院サイトの形は歯科クリニックのデモサイトで、機能が動くところはできること(機能の実例)でご覧いただけます。
公開後の運用は、簡易保守が月2万円〜、解析とSEOのレポートまで含む改善運用が月5万円〜です。判断材料はホームページ保守費用の相場にまとめています。
なお、改修の内容によっては公的な補助金の対象になる場合があります。制度の内容・締切は年度ごとに変わり、採択や補助額は保証されないため、補助金活用のページで最新の条件をご確認ください(原則として後払いです)。
医療広告ガイドラインで気をつける箇所
医院サイトの改修が他業種と違うのは、載せられる表現に制約がある点です。デザインを新しくするタイミングで、文章の見直しも同時に行っておくと安全です。
改修の現場で、書き換えのご相談が多いのは次のような箇所です。
- 「絶対に安全」「必ず治る」など、効果や安全性を断定する表現
- 治療前後の写真だけを並べた見せ方(治療内容・費用・リスクや副作用の説明が併記されていない場合は問題になりやすいとされています)
- 患者さんの体験談を、治療の効果を示す目的で掲載しているページ
- 自由診療の費用が「〇〇円〜」だけで、標準的な費用や回数の説明がないページ
- 「地域No.1」など、客観的な根拠を示せない優良性の表現
制度の運用は改正されることがあり、判断が分かれる表現もあります。掲載可否の最終判断は、所管の保健所や医師会・歯科医師会の窓口、顧問の専門家にご確認ください。 制作側でできるのは、指摘を受けやすい表現を洗い出して差し替え案を用意するところまでです。
改修の進め方とスケジュール
診療を続けながら進めることになるため、医院側の作業量が読めることが大切です。当社の場合はおおむね次の流れです。
- 現状確認(1〜2週間): 今のサイトの構造・WordPressの状態・ログイン情報の有無を確認し、使える部分と作り直す部分を切り分けます
- 見積もりと優先順位の決定: やることを一度に決めず、「今回やる/次回に回す」を分けます
- 制作(部分改修は2〜4週間、全面リニューアルは1〜2か月): ネット予約などの機能を含む場合は2〜3か月を見ておくと安全です
- 原稿と写真の準備(医院側の作業): ここが最も止まりやすい工程です。撮影が必要な場合は早めに日程を押さえます
- テスト環境で確認 → 公開: 公開後1〜2週間は、予約の入り方や問い合わせの届き方を実際の運用で確認します
医院側の負担が集中するのは4番です。 診療の合間に原稿を用意するのは想像以上に大変なので、既存サイトの文章をたたき台にして修正する形で進めると、期間が読みやすくなります。進め方の全体像はホームページリニューアルの進め方で解説しています。
改修でよくある失敗
- デザインだけ新しくして、予約までの導線が以前のまま。見た目は変わったのに予約数が動かない、という結果になりやすい形です
- 外部の予約サービスへリンクで飛ばすだけにして、サイトと予約画面の見た目が分断され、患者さんが不安になって離脱する
- お知らせ機能を付けたのに、更新の担当者を決めていない。数か月で止まり、かえって「今も診療しているのか」が伝わりにくくなる
- 診療時間の変更が画像でしか反映できない作りのまま残る。改修後も結局は制作会社への依頼が必要になる
- 旧サイトのURLを引き継がずに公開し、検索結果や他サイトからのリンクが切れる(転送設定で防げます)
失敗の共通点は、改修の目的が「新しくすること」になっている点だと思います。予約の入口を増やすのか、受付の電話対応を減らすのか、最初に一つ決めてから項目を選ぶと、費用も判断もぶれにくくなります。
よくある質問
Q. ネット予約だけを後から追加できますか?
できます。今のサイトがWordPressで動いていれば、初期セットアップ費(3〜5万円)+予約・空き枠管理(25〜40万円)が基本の構成です。前日のリマインドまで含める場合は8〜13万円が加わります。予約システム全般の考え方は予約システム導入の費用にまとめています。
Q. 改修中も、休診のお知らせは出せますか?
出せます。改修はテスト環境で進め、公開の直前に切り替える形が基本なので、公開中のサイトはそのまま運用を続けられます。切り替え作業は診療時間外に行うことが多く、当日に医院側で作業していただくことはありません。
Q. 開業から数年で、そもそも改修が必要か分かりません。
スマホでご自身の医院サイトを開き、診療時間・アクセス・予約の3つに何秒でたどり着けるかを試してみてください。ここで迷うようなら改修の価値があります。判断の目安はホームページを作り直すべきサインに整理しています。歯科・クリニック向けの制作内容はクリニックのWebサイト制作もあわせてご覧ください。
まとめ
- 改修か作り直しかは見た目ではなく、WordPressの状態・更新のしやすさ・スマホ表示で判断する
- 手を付ける順番は予約までの距離が近い順。予約の入口 → スマホ導線 → 写真 → 自院更新 → 表示速度
- 部分改修は初期セットアップ費3〜5万円+機能の積み上げ、全面の作り直しは13〜80万円が目安
- 医院サイトは表現の制約があるため、デザイン改修と同時に文章の見直しも行う
- 最終的な掲載可否は所管の窓口・専門家に確認し、制作側は差し替え案の用意まで
どこから直すべきか迷う段階でも構いません。今のサイトを拝見して、使える部分と作り直しが必要な部分を切り分けるところからご相談いただけます。

