「そろそろリニューアルしたほうがいいのは分かっている。でも、何から始めればいいのか、どのくらい時間がかかるのか分からない」——これも制作の現場でよくいただくご相談です。全体の流れを知らないまま走り出すと、原稿が集まらずに止まったり、公開直前に方針が変わったりと、期間もコストも膨らみがちです。

この記事では、WordPressでのリニューアルを前提に、発注から公開までの流れ(6ステップ)、規模別の期間の目安、事前に準備しておくとスムーズなもの、SEOを落とさない移行のポイントを順に解説します。そもそも作り直すべきか迷っている段階の方は、先に作り直すべき"古いホームページ"のサイン7つをご覧ください。

リニューアルの全体像——6つのステップ

進め方は会社によって多少違いますが、骨格はおおむね共通です。

  1. ヒアリング・現状整理——リニューアルの目的(問い合わせ増・採用・予約など)と現状の課題を整理します。アクセス解析が入っていれば「どのページが見られているか」「どこで離脱しているか」も確認します。ここで決めた目的が、以降すべての判断基準になります。
  2. 設計——必要なページの洗い出し(サイト構成)と、訪問者が問い合わせに至るまでの導線設計です。地味な工程ですが、成果への影響がもっとも大きい部分です。
  3. デザイン——トップページから順に、業種やターゲットに合わせたデザインを作成します。この段階で全体のトーンを固めてから下層ページに展開すると、手戻りが少なくなります。
  4. 構築——WordPressで実装します。お知らせ・実績・メニューなどを公開後に自分たちで更新できるよう、管理画面もあわせて設定します。
  5. 移行・最終確認——原稿と写真を流し込み、表示崩れ・スマホ表示・リンク切れ・フォームの動作を確認します。既存サイトからのURL設計とリダイレクト設定で、これまでのSEO評価を引き継ぎます(詳細は後述)。
  6. 公開・運用——ドメインを切り替えて公開します。公開はゴールではなくスタートで、アクセス解析を見ながら改善を続ける体制をどうするかもこの段階で決めておきます。

ここで大事なのは、制作会社に丸投げできる工程と、発注側の協力が必要な工程が分かれていることです。特にステップ1・2の目的整理と、ステップ5の原稿・写真の準備は発注側の関与が欠かせません。ここが進行速度を左右します。

制作会社と発注側の役割分担

「どこまでやってもらえて、何を自分たちでやるのか」が曖昧なまま始まると、途中で進行が止まります。工程ごとの分担を最初に確認しておきましょう。

工程 制作会社が担うこと 発注側にお願いすること
ヒアリング 課題の整理、構成の提案 目的の決定、現状の不満の共有
設計 サイト構成・導線の設計 構成案の確認、載せる内容の判断
デザイン デザイン案の作成・修正 期日内の確認と、一本化した返事
構築 WordPress実装・更新設定 基本的にお任せで問題なし
移行・確認 データ移行、リダイレクト設定 原稿・写真の支給、最終チェック
公開・運用 公開作業、計測の設定 運用体制の決定(内製か保守か)

発注側の負担がもっとも重いのは「原稿・写真の支給」と「確認の返事」です。逆に言えば、この2つさえ滞りなければ、あとは制作側の進行管理でスケジュールどおりに進みます。

期間の目安——規模別の早見表

準備の状況や確認のやり取りの速さで前後しますが、当社の場合の目安は次のとおりです。

規模 内容 期間の目安
ライト トップページ中心の小規模リニューアル 2〜4週間
標準 下層ページを含む全体の再設計 1〜2か月
本格 予約・決済など機能開発を含む 2〜3か月程度

期間が延びる要因の大半は、制作作業そのものではなく「待ち時間」です。よくあるのは次の3つです。

  • 原稿・写真が集まらない——もっとも多い停滞要因です。
  • 確認の往復が遅い——デザイン確認の返事に1〜2週間かかると、その分そのまま後ろにずれます。
  • 後から決裁者が登場する——最終盤で社長やオーナーの意見が入り、方針からやり直しになるパターンです。

逆に言えば、この3つを潰しておけば、目安どおりか、それより早く公開できることが多いです。また、繁忙期やキャンペーンに合わせたい場合は、その時期から逆算して1か月程度の余裕を持って始めるのがおすすめです。ぎりぎりの日程は、確認が駆け足になって品質に跳ね返ります。費用の相場はホームページのリニューアル費用の相場と内訳で詳しく解説しています。

発注前に準備しておくとスムーズなもの

契約してから慌てて集めるより、検討段階から少しずつ揃えておくのがおすすめです。

  • リニューアルの目的(1つに絞る。例:問い合わせを増やす)
  • 現在のサイトの不満点・課題のメモ
  • 参考にしたいサイト2〜3件(同業種でなくても可)
  • 会社案内・パンフレットなど既存の紹介資料
  • 使えそうな写真(店舗・スタッフ・商品など)
  • ドメイン・サーバーの契約情報(どこで契約したか、ログインできるか)
  • 社内の決裁者と、やり取りの窓口担当者の確定

最後の項目は見落とされがちですが重要です。確認して返事をする人を1人に決めておくだけで、進行は目に見えて速くなります。

SEOを落とさない移行チェック

リニューアルでもっとも怖い失敗が、「公開したら検索順位が落ちて、アクセスが激減した」というものです。原因の多くはURLの変更に対する手当て不足で、次の対応で防げます。

  1. URL設計——既存ページと新ページの対応表を作ります。残すページ、統合するページ、削除するページを整理します。
  2. リダイレクト設定——URLが変わるページには301リダイレクト(恒久的な転送)を設定し、検索エンジンの評価を新URLへ引き継ぎます。
  3. アクセス解析の引き継ぎ——アクセス解析とサーチコンソールを新サイトでも継続して使えるよう設定し、リニューアル前後の数字を比較できるようにします。
  4. 公開後の監視——公開後しばらくは、検索流入とエラー(リンク切れ・転送漏れ)を確認します。

この工程は見積もりの安い会社ほど省略されやすい部分です。契約前に「リダイレクト設計は含まれますか」と一言確認しておくと安心です。

公開後の運用——リニューアルは公開してからが本番

公開した瞬間がいちばんきれいな状態、というサイトは残念ながら多いです。成果につなげるには、公開後に「見られているか」「問い合わせにつながっているか」を確認し、直し続ける体制が必要です。

  • 簡易保守(月2万円〜):更新代行・バックアップ・不具合対応など、サイトを健全に保つ土台。
  • 改善運用(月5万円〜):アクセス解析をもとにした改善提案・実装まで含む運用。

また、公開時に全部を盛り込まず、後から機能を追加する進め方もできます。今のサイトに機能を載せる場合の初期セットアップは5〜8万円+機能ごとの費用が目安で、どんな機能があるかはできること(機能の実例)で実際に試せます。

なお、リニューアルに補助金を使う場合は、公募〜採択〜実績報告という制度側のスケジュールに合わせた逆算が必要です。採択や補助額は保証されず、原則後払い(先に全額を支払い、後から補助される)という点も踏まえて計画してください。詳しくは補助金活用をご覧ください。

よくある質問

Q. 今のドメインやメールアドレスはそのまま使えますか?

原則そのまま引き継げます。ドメインを変えないことはSEOの面でも重要なので、むしろ「変えない」のが基本方針です。メールも現在の設定を維持したままサイトだけ切り替えられます。ただしドメインやサーバーの契約情報が分からない・前の制作会社名義になっている、というケースは移行の障害になりやすいため、早めの確認をおすすめします。

Q. リニューアル中、今のサイトはどうなりますか?

公開中のサイトはそのまま動かしながら、別の環境で新サイトを制作します。完成後にドメインの向き先を切り替えるため、サイトが見られなくなる期間は基本的にありません。営業への影響を心配される方が多いのですが、通常業務と並行して進められます。

Q. 費用を抑えつつ早く公開する方法はありますか?

トップと主要ページに絞ったライト構成(2〜4週間・20〜30万円)で先に公開し、反応を見ながら下層や機能を拡張する二段構えが現実的です。素材を早めに揃えるほど短納期になります。詳しくは費用を抑えてホームページを作るコツを、概算はかんたん見積もりでその場で確認できます。

まとめ

  • リニューアルは「ヒアリング→設計→デザイン→構築→移行→公開」の6ステップ
  • 期間の目安はトップ中心で2〜4週間、下層込みで1〜2か月、機能開発込みで2〜3か月程度
  • 期間を左右するのは制作作業より「原稿・確認・決裁」の待ち時間
  • URL設計とリダイレクトによるSEO引き継ぎは省略してはいけない工程
  • 公開後の運用体制(月2万円〜/月5万円〜)まで決めておくと成果につながる

スケジュールのご相談だけでも歓迎です。お問い合わせから現状をお聞かせください。全体スケジュールの目安をお出しします。