「サイトを開くのに時間がかかる」「スマホで見るとなかなか表示されない」。ホームページの表示が遅いというご相談は、リニューアルのご相談と同じくらいよくいただきます。しかも多くの場合、サイトの内容や見た目そのものには問題がありません。

もったいないのはここです。検索や広告でせっかくたどり着いた人が、表示を待っている数秒のあいだに閉じてしまう。内容を読まれる前に離脱されるので、サイトの良さが評価される機会そのものがなくなります。Googleも表示速度をページ評価の要素の一つとしていますし、広告のクリック料金を払ったのに開く前に離脱される、というムダも起きています。

先に結論です。遅い原因の多くは、画像、プラグインやコード、キャッシュや圧縮の設定に集まります。まずはスマホの回線で自社サイトを開き、計測ツールに出た指摘がこの記事の7つのどれに当たるかを見てください。多くは今のサイトを作り直さずに直せる範囲で、費用は11〜18万円(税別)が目安です。

この記事では、表示が遅くなる原因を「画像が重い」以外も含めて7つに分け、症状からの見分け方、効きやすい順番での直し方、当社で実際に見積もりに使っている費用の目安をまとめます。WordPressで作られたサイトを主な前提にしています。

まず自分で確かめる方法(3分でできます)

直す前に、今どのくらい遅いのかを一度確かめておくことをおすすめします。改善後に比べる基準になりますし、原因の当たりも付けやすくなります。

  1. スマホのWi-Fiを切り、携帯回線で自社サイトのトップページと、よく見られているページを開く
  2. Googleが無料で提供している計測ツール(PageSpeed Insights)に自社のURLを入れ、スマートフォン側の結果を見る(表示は「モバイル」「携帯電話」などツール側の都合で変わります)
  3. 点数そのものより、結果の下に並ぶ指摘の一覧を見る。ここに原因の手がかりが出ています

計測ツールの最初に出てくる3つの略語は、次のように読み替えられます。

画面に出る言葉 意味 この記事の原因
LCP 主役の画像や見出しが出るまでの時間 1・4・5
CLS 開いた直後に文字や画像がずれる量 1・6
INP タップしてから反応するまでの時間 2・3・6

あわせて、WordPressの管理画面で次の4つを見ておくと、原因の当たりがかなり絞れます。

  • 「プラグイン」で、有効になっている数を数える(20を超えていたら整理の余地があります)
  • 「メディア」で、よく使う写真1枚のファイルサイズを見る(1枚で1MBを超えていたら重い部類です)
  • 「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で、PHPのバージョンを確認する
  • トップページに埋め込んでいる外部サービス(地図・SNS・チャット・動画)を数える

計測ツールの点数は、同じサイトでも測るたびに上下します。1回の点数に一喜一憂するより、指摘の一覧に何が出ているかを見るほうが実用的です。

「いつから」「どこが」遅いかで、疑う場所が変わります

ずっと遅いのか、急に遅くなったのかで原因の探し方が変わります。次の記事本文の7つは「ずっと遅い」場合の原因なので、その前に一度この表で切り分けてみてください。

症状 まず疑うところ
数日前から急に遅くなった プラグイン・テーマの更新、サーバーの障害や混雑
特定の1ページだけ遅い そのページの画像・埋め込み(地図・SNS・動画)
管理画面まで遅い プラグインの数、サーバーの性能、PHPのバージョン
自社のパソコンだけ遅い 社内の回線や機器。他の回線でも遅いか先に確認
時間帯で速さが変わる サーバーの混雑(共用プランの影響)

「急に遅くなった」場合は、直前に更新したプラグインやテーマを一時的に元に戻すと切り分けられることが多いです。戻す前に必ずバックアップを取ってください。

サイトが重い7つの原因(画像だけではありません)

ご相談の場でよくあるのが、「画像を圧縮すれば速くなりますよね」という質問です。画像は確かに最大の原因ですが、実際に点検すると原因は1つではなく、いくつも重なっているのが普通です。先に全体を表で示します。

原因 よくある症状 主な対処
1. 画像が重い・大きすぎる 写真が上から少しずつ表示される 圧縮・サイズ調整・WebP化・遅延読み込み
2. プラグインやテーマの入れすぎ 管理画面まで遅い・更新のたびに重くなる 使っていないものの停止と削除
3. 使っていないコードが残っている 見た目は変わらないのに読み込みが多い 不要なスクリプト・スタイルの整理
4. キャッシュ・圧縮が未設定 どのページも同じように遅い サーバー側・サイト側の設定
5. サーバーの性能や設定が古い 時間帯によって遅さが変わる PHPの更新・プランの見直し
6. 外部サービスの読み込み待ち 白い画面のあと一気に出る 読み込み順の変更・遅延読み込み
7. スマホ回線を想定していない パソコンでは速いのにスマホで遅い スマホ向けの画像出し分け・構成見直し

1. 画像が重い・大きすぎる

スマホで撮った写真は1枚で数MBあります。WordPressは大きすぎる画像を取り込み時にある程度縮小しますが、それでも1枚1MB前後が残ることは珍しくありません。写真を10枚以上並べるページでは、これだけで重さの大半を占めます。

やっかいなのは、テーマやページビルダーの作りによっては、縮小されたものではなく元の大きい画像が呼ばれてしまうケースです。横幅2000pxの写真を、表示上は400pxに縮めて使っている、といった状態を実際によく見かけます。

対処は、表示サイズに合わせて縮小し、画質を保ったまま圧縮し、軽い形式(WebP)に変換することです。画面に入るまで読み込まない「遅延読み込み」を組み合わせると、ページの下のほうにある画像が最初の表示を邪魔しなくなります。

2. プラグインやテーマの入れすぎ

WordPressのサイトで多いのがこれです。便利そうなプラグインを足していくうちに20個、30個になり、それぞれが自分のスクリプトやスタイルを全ページに読み込ませています。停止しただけで残っているものも、更新の手間や安全面で負担になります。

何年も運用しているサイトほど、誰が何のために入れたのか分からないプラグインが残っています。本当に使っているものを確認して減らすだけで、体感が変わることがよくあります。

3. 使っていないコードやスクリプトが残っている

過去のキャンペーンで入れたスライダー、今は使っていないアニメーション、テーマに最初から入っている多機能なパーツなど、表示には関係ないのに読み込まれているコードがあります。

見た目には出てこないので、社内では気づきようがありません。計測ツールの「使用していないJavaScript/CSS」という指摘がここに当たります。

4. キャッシュや圧縮が設定されていない

キャッシュは「一度作ったページを保存しておき、次の人には保存したものをすぐ出す」仕組みです。圧縮は、送るデータを小さくまとめてから届ける設定です。どちらも仕組み側の話なので、設定されていなければ効きません。

レンタルサーバーの管理画面で切り替えられることも、サイト側で設定が必要なこともあります。ここは一度整えれば効き続けるので、費用対効果が高い項目です。

5. サーバーの性能や設定が古い

サイト側を整えても、土台のサーバーが古いと限界があります。特にPHPのバージョンが古いままだと、同じ処理でも時間がかかりますし、安全面でも問題です。

「昼間は遅いが夜は速い」のように時間帯で変わる場合は、サーバー側の混雑が疑われます。プランの見直しや移転が必要になることもあり、ここは費用と相談になります。

6. 外部サービスの読み込み待ち

SNSのタイムライン埋め込み、チャットツール、広告や解析のタグ、Webフォント、地図の埋め込み。これらは自社のサーバーではなく外部から読み込むので、相手側が遅いとこちらのページ全体が待たされます。

「しばらく白い画面のあと、一気に全部出る」という症状はこの典型です。外すのではなく、本文が表示されたあとに読み込む順番に変えるだけで、体感は大きく変わります。

7. スマホ回線を想定していない設計

パソコンの大きな画面向けに作られたサイトは、スマホでも同じ大きさの画像とコードを送ります。パソコンの有線回線では気づかなくても、スマホの回線では重さがそのまま待ち時間になります。

画面の大きさに応じて画像を出し分ける、スマホでは不要な装飾を読み込まない、といった設計の問題です。ここまで来ると、スマホ対応の費用と考え方とあわせて見直したほうが早い場合があります。

表示速度を改善する順番(効きやすく、安全な順)

原因が複数重なっているとき、どこから手をつけるかで効果と手間が変わります。当社が点検のときに使っている順番です。

  1. 画像。最も効果が出やすく、内容を変えないので安全です。まずここで体感を変えます
  2. キャッシュ・圧縮の設定。一度整えれば効き続けます。ただし、更新が反映されない事故を避けるため設定の確認が必要です
  3. プラグインと不要なコードの整理。使っているかどうかの確認に社内の協力が必要なので、3番目に置きます
  4. 外部サービスの読み込み順。本文が出てから読み込む形にします。外すわけではないので、機能はそのままです
  5. サーバー側。PHPの更新やプランの見直し。費用が発生することがあるので、ここまでの4つで足りるかを先に見ます
  6. それでも遅い場合は、テーマや構成の見直し。ここは部分改修ではなくリニューアルの範囲になります

順番の考え方は、「内容を変えずに直せるもの」から始めて、「作りに手を入れるもの」を後に回す、です。1〜4で解決することが多く、ここまでなら今のサイトのまま施工できます。

費用の目安

当社の見積もりでは、表示速度の改善は「今のサイトを土台に、機能や改善を積み上げる」形で計算します。金額はいずれも税別です。

内容 内訳 合計の目安
表示速度の改善(単体) 初期セットアップ費3〜5万円+改善8〜13万円 11〜18万円
ライトリニューアルと同時 13〜20万円+改善8〜13万円 21〜33万円
標準リニューアルと同時 25〜40万円+改善8〜13万円 33〜53万円

「改善8〜13万円」に含まれるのは次の作業です。

  • 原因の全体点検(計測結果をもとに、7つの原因のどれがどの程度効いているかを見る)
  • 画像の圧縮・サイズ調整・WebP化と遅延読み込みの設定
  • キャッシュ・圧縮の設定と、更新が反映されないトラブルを防ぐ運用ルールの整理
  • 使っていないプラグイン・コードの整理
  • 外部サービスの読み込み順の見直し
  • 改善前後の計測と、結果のご報告

お見積もり前の計測と原因の見立ては無料で行っています。表の「全体点検」は、実際に手を入れる際の詳しい調査を指します。一般的なシステム会社の相場は30〜100万円程度と言われる項目で、当社は個人で対応できる範囲に絞ることで金額を抑えています。

サーバーの移転やプラン変更が必要な場合は、サーバー会社への費用が別途かかります。点検の段階で必要かどうかをお伝えし、不要ならこの表の範囲で収めます。細かい組み合わせはかんたん見積もりで確認できます。

よくある失敗

速度改善はやり方を間違えると、速くならないどころか別の問題を起こします。ご相談や点検の場でよく見かけるケースです。

  • 圧縮プラグインを入れただけで満足する。元の画像が大きすぎるままだと効果が薄く、プラグインが1つ増えたぶん遅くなることもあります
  • 高速化プラグインを複数入れる。同じ役割のものが競合し、レイアウトが崩れたり、管理画面にログインできなくなったりします。復旧にはサーバー側からプラグインを無効化する作業が必要になります
  • キャッシュを入れたら更新が反映されなくなる。お知らせを直しても古いまま表示され、「壊れた」と誤解されがちです。設定と運用ルールをセットで決める必要があります
  • 画質を落としすぎる。商品写真や施工写真がぼやけると、速くなっても信頼を損ないます。画質と容量の落としどころは業種によって違います
  • 計測せずに直す。何がどれだけ効いたか分からず、次に何をすべきかも決められません

いずれも「1つの対策で全部解決しようとした」ときに起きています。原因が複数あるという前提で、点検してから順番に直すのが結局は近道です。リニューアルで起きやすい失敗にも通じる話です。

もう一つ、速度は直したあとに戻る性質があります。写真やプラグインを足していくうちに、また重くなります。月に一度でも計測して見ておくと、気づいたときには手遅れ、を避けられます。ホームページの保守費用で、こうした定期点検を保守に含める考え方をまとめています。

よくある質問

画像を圧縮すると、画質は落ちますか

見た目で分からない範囲に収めるのが基本です。写真の種類に応じて圧縮率を変え、商品や施工の写真のように細部が大事なものは控えめに、背景や装飾はしっかり軽くします。改善前後を並べてご確認いただいてから反映します。気になる場合は圧縮率を戻して調整しますので、写真が主役の業種でもご相談いただけます。

自分でできますか

画像の圧縮と、使っていないプラグインの削除は、ご自身でも進めやすい部分です。一方で、キャッシュや圧縮の設定、外部サービスの読み込み順の変更、サーバー側の調整は、失敗すると表示が崩れたり更新が反映されなくなったりします。試すなら必ずバックアップを取り、変更前後で計測することをおすすめします。自分で作るか業者に頼むかの判断基準も参考になるはずです。

どのくらい速くなりますか

サイトの状態によって差が大きく、事前に数字をお約束することはできません。画像とキャッシュだけで体感が明らかに変わるサイトもあれば、サーバーの移転まで必要なサイトもあります。点検の段階で「どこが原因で、直すとどの程度見込めるか」を計測結果とあわせてお伝えし、その上で進めるかどうかを決めていただいています。

まとめ

表示が遅いサイトは、内容が良いほどもったいない状態です。原因は画像の重さだけではなく、プラグイン、コード、キャッシュ、サーバー、外部サービスと複数が重なっているのが普通なので、1つずつ潰すより全体を点検して順番に直すのが近道です。

直す順番は、画像、キャッシュ・圧縮、プラグインとコードの整理、外部サービスの読み込み順、サーバー、そして最後に構成の見直し。1〜4までなら今のサイトのまま施工でき、費用は初期セットアップ費と合わせて11〜18万円が目安です。

まずはスマホの回線で自社サイトを開き、計測ツールの指摘一覧を見てみてください。そこに並んだ言葉が、この記事の7つの原因のどれに当たるかで、やるべきことが見えてきます。遅いサイトと速いサイトの見え方の違いは、できることページの表示速度カードで見比べられます。サイト全体が古くなっている場合は、作り直すべきサインの記事WordPressリニューアルの費用相場もあわせてご覧ください。

「うちのサイト、どこが遅いのか見てほしい」というご相談だけでも歓迎です。計測結果をもとに、直す範囲と費用をお伝えします。お問い合わせからどうぞ。