不動産会社のWEBサイトで問い合わせを増やすには、まず今すぐできる見直し(物件情報の鮮度・問い合わせの入口・フォームの項目・連絡先の置き場所)を済ませ、そのうえで物件検索や内見コンテンツなどの改修に進むのが近道です。前者は多くが今の管理画面での作業や小さな修正で始められ、後者は効果が出るまでに準備と費用がかかります。

この記事は、ポータルサイト経由の反響が中心で、自社サイトからの問い合わせを増やしたい不動産会社の方に向けたものです。今すぐできる対策と、改修で取り組む対策を分けて整理し、ポータルとの役割分担と機能ごとの費用の目安もあわせて紹介します。

今すぐできる、問い合わせを増やす7つの対策

どれも大がかりな開発をせずに始められる対策です。今の管理画面で直せるものから順に進め、電話番号の常時表示やフォームへの物件名の自動入力のように小さな修正が要るものは、まとめて制作会社に依頼すると効率的です。

1. 成約済みの物件を下げ、新着を目立たせる

問い合わせた物件が「もう決まっています」だと、その会社の情報そのものが信用されにくくなります。成約済みの物件を公開一覧から外し、新着や価格変更が一覧の上に来るようにします。物件ごとに情報の更新日を表示しておくと、見る側も安心できます。

2. 問い合わせの入口を目的別に分ける

「お問い合わせ」ボタンがひとつだけだと、まだ見学するほどではない方が連絡をためらいます。物件詳細ページに「見学したい」「資料がほしい」「似た条件の物件を紹介してほしい」のような目的別の入口を置くと、それぞれの温度感で連絡しやすくなります。今のフォームに「ご希望の内容」の選択肢を足すだけでも始められます。

3. フォームの入力項目を減らす

最初の問い合わせで必須にするのは、お名前・連絡先・ご希望の内容くらいに絞ります。年収や勤務先、細かい希望条件は、連絡がついてから伺えば足ります。物件詳細から開いたフォームには、どの物件についての問い合わせかが最初から入っている状態が理想です。

4. 電話番号と営業時間・定休日をすべてのページに置く

スマホで物件を見ている方は、その場で電話をかけたいこともあります。画面の上部か下部に電話番号を常に表示し、タップで発信できるようにします。定休日と受付時間が書かれていないと、「今かけてもつながるのか」で迷わせてしまいます。

5. 物件詳細に写真と担当者の一言を足す

ポータルと同じ写真と定型文だけでは、自社サイトで見る理由がありません。写真を数枚増やし、周辺の買い物環境や日当たりなど、担当者が見て感じたことを一言添えるだけでも、ページの印象は変わります。

6. Googleビジネスプロフィールを整える

社名や「地域名+不動産」で検索した方は、地図と一緒に表示される会社情報を最初に見ることがあります。営業時間・写真・WEBサイトのURLを最新にしておくと、そこから自社サイトや電話へ進んでもらいやすくなります。手順はGoogleビジネスプロフィール×公式サイトで地域集客を強くする方法にまとめています。

7. どこから問い合わせが来たかを記録する

どの物件ページ、どの入口から問い合わせが来たのかが分からないと、次に何を直せばよいか判断できません。フォームに物件名が自動で入るようにする、アクセス解析(GA4)で問い合わせの完了を計測する、といった記録の仕組みを先に用意しておきます。

反響が増えない不動産サイトの特徴

あわせて、現状のサイトを次のチェックリストで確認してみてください。当てはまる項目が多いほど、上の見直しだけでなく、次の章以降の改修も検討する価値があります。

  • 物件をエリア・価格・間取りなどの条件で絞り込めない
  • 物件写真が少なく、外観と間取り図くらいしかない
  • 更新が手作業で追いつかず、成約済みの物件が残っている
  • 問い合わせフォームが1種類だけで、内見予約・資料請求と分かれていない
  • 会社やスタッフの情報が薄く、誰が対応してくれるのか分からない
  • スマホで物件一覧が見づらく、写真が小さい

スマホでの見え方と表示の速さは、WEBサイト無料診断でURLを入れるだけで採点できます。

自社サイトに来るのは、社名で検索した方や、ポータルで物件を見て「この会社はどうか」と確かめに来た方です。つまり検討度の高い訪問者が多いのに、受け皿が弱いと問い合わせの一歩手前で離脱されてしまいます。導線の考え方は問い合わせが来ない原因と対策でも詳しく解説しています。

ポータルと自社サイトの役割の違いを押さえる

ポータルをやめて自社サイトに一本化する、という話ではありません。両者は役割が違うため、併用しながら自社反響の比率を高めていくのが現実的です。

ポータルサイト 自社サイト
得意なこと 圧倒的な集客力、新規のお客様との接点 会社への信頼づくり、じっくり検討する方の受け皿
反響の質 他社と比較検討の途中の方が中心 会社を選んで問い合わせる方が多く、来店につながりやすい
コストの性質 掲載を続ける限りかかり続ける 初期投資は必要だが、自社の資産として残る

ポータルで物件を知った方が社名で検索し、自社サイトの情報量と誠実さを見て問い合わせ先を決める。この流れを意識すると、自社サイトに投資する意味がはっきりします。

改修で取り組む、反響を増やす5つの対策

今すぐできる見直しの次は、サイトの作りそのものを直す対策です。開発の費用と期間がかかるため、物件数や今の反響の状況に合わせて優先順位を決めます。

1. 物件検索は「探しやすさ」を最優先に設計する

エリア・沿線・価格・間取り・こだわり条件で直感的に絞り込めることが大前提です。加えて、検索結果の一覧で写真を大きく見せる、新着や価格変更が分かる、といった細部が滞在時間と回遊を左右します。検索の入り口はトップページの目立つ位置に置きます。

2. 物件詳細ページの情報量で「この会社は丁寧だ」と伝える

今すぐできる対策で写真と一言を足したら、次はそれを全物件で続けられる作りにします。周辺環境・学区・担当者のコメントなどを管理画面の入力項目として用意し、物件ページの決まった位置に表示されるようにすると、担当者が変わっても情報量がそろいます。物件ページの丁寧さは、そのまま会社の誠実さとして伝わります。

3. 360°内見で「来店前に見られる」体験をつくる

360°パノラマの内見コンテンツがあると、遠方からの住み替えや忙しい方でも、来店前に室内を確認できます。「見てから問い合わせられる」安心感は内見予約のハードルを下げ、案内の空振りを減らす効果も期待できます。

4. お気に入り・比較機能で再訪問の理由をつくる

住まい探しは検討期間が長く、一度の訪問では決まりません。気になる物件を保存して後で見比べられる機能があると、「続きはあのサイトで」という再訪問の理由が生まれます。家族と候補を共有しながら検討してもらえるのも利点です。

5. 目的別のフォームと計算ツールで、問い合わせ前の不安を減らす

今すぐできる対策で入口を分けたら、次は入口ごとに専用のフォームを用意します。内見予約なら希望日時、売却査定なら物件の所在地と種別、というように、目的に合った項目だけを聞く形です。月々の支払額をその場で概算できるローンシミュレーターも、問い合わせ前の不安を減らす定番の仕掛けです。

これらを実装した画面は不動産の制作デモで実際に操作できます。改修の費用・期間・進め方は不動産会社のWEBサイト改修・リニューアルでもご案内しています。

必要な機能と費用の目安

自社反響を狙う不動産サイトでよく検討される機能と、当社の費用目安です(税別)。

機能 主な用途 費用目安
物件検索 エリア・価格・条件で物件を絞り込める一覧・詳細ページ 25〜40万円
高機能フォーム 内見予約・資料請求・売却査定など目的別の入口と自動返信 8〜13万円
360°内見 パノラマ写真で室内を来店前に見学 8〜12万円
お気に入り比較 気になる物件の保存・並べて比較 3〜4万円
ローン・料金シミュレーター 月々の支払額をその場で概算 5〜8万円
CMS化 物件・お知らせなどを、制作会社に頼まず自社で追加・編集 13〜20万円
多言語対応(1言語) 外国人のお客様・投資家向け 8〜12万円

サイト本体はリニューアルでライト8〜12万円・標準25〜40万円・本格50〜80万円、新規制作で25〜40万円が目安です。全部を一度に入れる必要はなく、物件検索を核に段階的に足していく進め方もできます。組み合わせごとの概算はかんたん見積もりで確認でき、各機能の動くサンプルはできること(機能の実例)にまとめています。費用の全体像はリニューアル費用の目安もご参考ください。

なお、チラシ・広告など販路開拓の計画とセットにすれば、小規模事業者持続化補助金(補助率2/3、ウェブサイト関連費の補助は上限30万円・単独申請は不可)などを活用できる場合があります(2026年9月時点。最新の公募要領をご確認ください。採択が保証されるものではなく、原則後払いです)。詳しくは補助金活用をご覧ください。

不動産サイトでよくある失敗

  • ポータルと同じ情報しか載せていない。自社サイトならではの写真・コメント・周辺情報がないと、見る理由がなくなります。
  • デザインだけ一新して、検索性が変わっていない。見た目の刷新より、探しやすさの改善のほうが反響には効きます。
  • 物件更新の運用を決めずに公開する。更新が特定の担当者の手作業に依存すると、情報の鮮度が保てず続きません。
  • 反響の計測をしていない。どのページ・どの物件から問い合わせが来たか分からないと、改善のしようがありません。

よくある質問

Q. 費用をかけずに、今すぐ問い合わせを増やす方法はありますか?

あります。成約済みの物件を公開一覧から外す、問い合わせの入口を目的別に分ける、フォームの必須項目を減らす、電話番号と定休日をすべてのページに置く、の4つは、今の管理画面での作業か小さな修正で始められることが多い対策です。詳しくは冒頭の「今すぐできる、問い合わせを増やす7つの対策」をご覧ください。

Q. ポータルをやめて自社サイトだけにできますか?

おすすめしません。新規のお客様との接点としてポータルの力は大きいためです。併用を前提に、自社サイトの受け皿を整えて反響の比率を少しずつ移していく形が現実的です。

Q. 物件数が少なくても検索機能は必要ですか?

スマホで一覧をスクロールして探せる程度の件数なら、本格的な検索機能がなくても、条件タグ付きの見やすい一覧で十分な場合があります。エリアや価格で絞り込まないと目当ての物件にたどり着けない件数になったら、検索機能を検討する目安です。物件数と更新頻度をうかがった上で、過剰にならない構成をご提案しています。

Q. 制作後の物件登録は自分たちでできますか?

できます。物件を自社で追加・編集できる管理画面(CMS化・13〜20万円)を組み合わせると、営業担当の方が写真とコメントを載せられる運用にできます。お客様が条件で物件を探す物件検索(25〜40万円)と、物件を登録する管理画面は、別の項目として見積もります。公開後の進め方はリニューアルの進め方と期間をご覧ください。

今のサイトを土台に直すか作り直すかの判断と、改修費用の目安は不動産会社のホームページ改修|費用の目安と直す順番の決め方にまとめています。問い合わせを増やす打ち手とあわせて、直す順番を決める材料にしてください。

まとめ

不動産会社のWEBサイトで問い合わせを増やす要点は、次の4つです。

  1. まずは今すぐできる見直し(成約済み物件の整理・目的別の入口・短いフォーム・連絡先の常設)を済ませる
  2. ポータルと併用しながら、検討度の高い訪問者を自社サイトで受け止める
  3. 物件の探しやすさと詳細ページの丁寧さで「この会社に頼みたい」をつくる
  4. 改修では、物件検索・360°内見・お気に入り比較などで問い合わせ前の不安を減らす

当社の不動産向けの改修・制作の内容は不動産会社のWEBサイト改修・リニューアルにまとめています。

「ポータル頼みから抜け出して自社反響を増やしたい」という方は、お問い合わせからご相談ください。現状のサイトと反響の状況を伺い、優先順位からご提案します。