相談につながる士業のWEBサイトに必要なのは、料金と相談の流れ、相談者が最初に抱く不安への答え、迷わない相談の入り口の3つです。載せる内容には業種ごとのルールがあり、弁護士は日本弁護士連合会(日弁連)の「弁護士等の業務広告に関する規程」と「業務広告に関する指針」、税理士・行政書士・社会保険労務士(社労士)はそれぞれの連合会の会則などに、広告と報酬の定めがあります。費用は、今のサイトに相談フォームだけ足す場合で8〜13万円(初期費用0円)、下層ページまで作り直す標準リニューアルで25〜40万円、構成・文章から全面的に作り直す本格リニューアルで50〜80万円が目安です(いずれも税別)。

この記事は、弁護士・税理士・行政書士・社労士の事務所で、WEBサイトからの相談を増やしたい方に向けて書いています。前半で共通の改善点、中盤で「弁護士の場合」「税理士・行政書士・社労士の場合」に分けて広告のルール、後半で守秘義務・機能・費用を整理します。規程の内容は2026年9月29日時点で原文を確認したものですが、規程は改正されます。掲載前に所属会の最新の規程を確認し、最終的な判断は所属会と規程の原文に基づいてください。

相談につながる士業サイトに共通する5つの要点

1. 料金と相談の流れを先に見せる

「いくらかかるか」「問い合わせたら何が起きるか」が分からないままでは、相談者は問い合わせるかどうかを判断できません。初回相談の料金(無料なら無料と、有料なら時間と金額)、報酬の区分、そして「問い合わせ → 日程調整 → 初回相談 → 見積もり → 契約 → 着手」という流れを、トップページから1クリックで届く場所に置きます。正確な金額を出しにくい業務は、「◯◯の場合の例」として条件つきの記入例を示す方法があります。

報酬は、何に対していつ払うのかが分かる区分で書きます。弁護士なら着手金・報酬金・実費・日当の区別、税理士なら顧問料・決算申告料・記帳代行の区別、行政書士なら手続きごとの報酬と証紙代などの法定費用の区別、社労士なら顧問料・手続きの単価・就業規則作成などの区別が基本です。弁護士が電話・メールなどの通信手段で受任する場合の広告には、受任する法律事務の範囲、報酬の種類・金額・算定方法・支払時期、中途で契約が終わった場合の清算方法などを表示しなければなりません(弁護士等の業務広告に関する規程第9条の2)。日弁連の指針は、その表示例として「着手金 33万円(税込み)・受任時一括払い、報酬金 委任者の得た経済的利益の12%(税別)」のように、種類・金額・算定方法・支払時期をそろえて書く形を示しています(業務広告に関する指針(日弁連)第8の2、2026年9月29日確認)。オンラインで相談から受任まで完結させる事務所は、この表示が必要になります。

料金を載せるかどうかは事務所の判断ですが、判断材料になる規程があります。弁護士は「弁護士の報酬に関する規程」で、報酬の種類・金額・算定方法・支払時期などを定めた報酬基準を作成して事務所に備え置くこと(第3条)、受任に際して報酬と費用を説明すること(第5条)が求められ、報酬に関する自己の情報を開示し提供するよう努めるとされています(第6条)(弁護士の報酬に関する規程(日弁連)、2026年9月29日確認)。税理士は日本税理士会連合会の会則で、不当勧誘・不当広告・報酬額の不明示などが、相手方の利益を害するおそれがある行為として禁じられています(日本税理士会連合会会則第59条の2、2026年9月29日確認)。全額を載せない場合でも、初回相談の料金と「見積もりをどの段階で、何を基に出すか」だけは書いておくと、相談者は次の一歩を判断できます。

2. 相談者の不安に先回りする

初めて士業に相談する人にとっては、事務所側には当たり前の情報も当たり前ではありません。次の4つの不安に、それぞれ答えを用意します。

相談者の不安 サイトに載せる答え
こんなことで相談していいのか 相談できる内容の例、対象になる人、相談の前に決めておかなくてよいこと
何を準備すればいいのか 持ち物、所要時間、オンライン・電話相談の可否、夜間・土日の対応
周りに知られたくない 守秘義務があること、相談室が個室かどうか、利益相反の確認をしてから受け付けること
この人に話せるか 担当者の顔写真、経歴、仕事への考え方、どんな相談に多く対応しているか

「よくある質問」に、専門用語を使わずに答えを並べるだけでも、上の表はほぼ埋まります。

3. 取扱分野は「誰の・どんな困りごと」で整理する

分野名を並べるだけでは、相談者は自分の悩みがどこに当てはまるのか分かりません。「相続でもめている」「建設業の許可を取りたい」「顧問税理士を変えたい」「就業規則を作りたい」のように、困りごとの入り口ページを用意し、その中で対応内容・料金・流れをつなげます。

ただし、分野の見せ方には業種ごとの注意があります。とくに弁護士は、「◯◯専門」「スペシャリスト」といった表示を控えるのが望ましいと日弁連の指針で示されており、「取扱い分野」「取扱い業務」「得意分野」などの表現で書くことになります(詳しくは次の章)。

4. 相談の入り口をひとつに集める

電話が苦手な方、日中に連絡できない方のために、相談フォーム・相談日時の予約・LINEなど複数の入り口を用意し、どこから入っても同じ受付に届くようにします。フォームは入力項目を最小限にし、送信後の自動返信に「何営業日以内に返信するか」を書いておくと、相談者が待つ間の不安を減らせます。

「24時間受付」のような表現には注意が必要です。日弁連の指針は、弁護士が1人しかいないなど相談体制が整っていないのに「24時間365日相談対応」と書くことを、直接対応してもらえるとの誤解を与える表現の例として挙げています(指針第3の3(5))。フォームやAIの自動応答で受け付ける場合は、「受付は24時間、回答は営業日に担当者から」「自動応答による一次案内」のように、何が24時間なのかを明記します。

5. 解決事例・お客様の声は守秘義務と規程の範囲で

「自分と似た悩みに対応してもらえそうだ」と感じてもらう材料として、解決事例やお客様の声は有効です。ただし、士業には法律上の守秘義務があり、弁護士は依頼者や事件の表示に同意が要るなど、広告の規程でも扱いが決まっています。書き方は後の「守秘義務とクチコミ表示」の章でまとめます。

弁護士の場合:業務広告の規程と指針で確認すること

弁護士のWEBサイトは、日弁連の「弁護士等の業務広告に関する規程」(会規第44号)の対象になります。規程は「広告」を、弁護士等が自己や自己の業務を他人に知らせるために行う情報の伝達・表示行為で、顧客・依頼者となるよう誘引することを主な目的とするものと定義しています(第2条)。指針も、WEBサイト・動画サイト・SNSなどあらゆる媒体が利用でき、媒体自体から直ちに禁止されるものはないとしたうえで、内容は規程の各号に照らして判断するとしています(指針第3の14)。

禁止される広告と、表示できない事項(規程第3条・第4条)

規程第3条は、次の7つの広告を禁止しています(弁護士等の業務広告に関する規程(日弁連)、2026年9月29日確認)。

  1. 事実に合致していない広告
  2. 誤導又は誤認のおそれのある広告
  3. 誇大又は過度な期待を抱かせる広告
  4. 困惑させ、又は過度な不安をあおる広告
  5. 特定の弁護士・弁護士法人などやその事務所と比較した広告
  6. 法令又は日弁連・所属弁護士会の会則・会規に違反する広告
  7. 弁護士等の品位又は信用を損なうおそれのある広告

第4条は、広告に表示できない事項を定めています。訴訟の勝訴率は表示できません(第1号)。顧問先又は依頼者は、その書面又は電磁的方法による同意がある場合を除いて表示できません(第2号)。受任中の事件は、依頼者の書面又は電磁的方法による同意がある場合と、依頼者が特定されずかつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合を除いて表示できません(第3号)。過去に取り扱い、又は関与した事件も、依頼者の書面又は電磁的方法による同意がある場合と、広く一般に知られている事件又は依頼者が特定されない場合でかつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合を除いて表示できません(第4号)。

このほか、弁護士は広告に氏名と所属弁護士会を、弁護士法人は名称・主たる法律事務所(又は広告に係る従たる法律事務所)の名称・所属弁護士会を表示しなければなりません(第9条)。広告物や記録、第4条の同意を証する書面・電磁的記録などは、広告が終了した時から3年間保存する義務があります(第11条)。サイトのフッターや事務所概要に氏名・所属弁護士会が入っているか、同意書の保管場所が決まっているかは、公開前に確認しておきます。

「専門」は控えるのが望ましい、「取扱い分野」「得意分野」は可(指針第3の12)

指針は、専門分野の表示について次のように整理しています。専門分野は国民が強く情報提供を望む事項である一方、何を基準に専門分野と認めるかの判定が困難で、客観性が担保されないまま専門家・専門分野等の表示を許すことは誤導のおそれがあるため、表示を控えるのが望ましいとし、スペシャリスト・プロ・エキスパートなど専門家を意味する用語も同様としています。一方、「得意分野」は主観的評価にすぎないことが明らかなので規程第3条第2号・第3号に違反しないとされ(得意でないものを得意分野と表示する場合を除く)、「取扱い分野」「取扱い業務」は専門等の評価を伴わないため違反しないとされています。経験は豊富でないが取り扱いたい分野は、「積極的に取り組んでいる分野」「関心のある分野」と表示することが望ましい、という例も示されています。

つまり、弁護士のサイトで分野を打ち出すときは、「相続専門」ではなく「取扱い分野:相続・遺言」「得意分野:相続・遺言」「積極的に取り組んでいる分野」と書くのが規程に沿った形です。分野の入り口ページ自体を作ることは問題なく、見出しの言葉を選ぶ、ということです。

解決事例・お客様の声・相談実績の書き方(指針第3の2)

指針は、事実に合致していない広告の例として、経歴等を偽った表示、実在しない人物の推薦文、架空の解決事例や、表示どおりの解決ができなかった事例を脚色して記載すること、お客様の声として実在の依頼者が関与していない文章を記載すること、法律相談実績として相談の申込みがあったが実際に回答していないものや弁護士が直接回答していないものを含めて記載することを挙げています。解決事例を載せるなら、実際の事案を、同意を得たうえで、結果を盛らずに書くことが前提です。

数字の見せ方にも注意があります。他の事件を例に挙げて同じ結果になると思わせる表現(「交通事故で1億3,000万円を獲得しています。あなたも可能です。」の類)や、実際は保釈請求件数なのに「保釈の実績◯◯件」と表示するような、不正確な基準で優位に見せる表示は、誤導・誇大の例とされています。実績の件数を載せるなら、期間と数え方(面談相談のみ、電話の簡単な問い合わせは除く、など)を注記します。

報酬の書き方(指針第3の3)

指針は、弁護士報酬についての曖昧又は不正確な表現として「割安な報酬で事件を受けます」「業界最低水準の弁護士報酬」「着手金0円〜」を挙げています。「着手金0円」と書きながら手数料・管理料などの名目で金銭を受け取る場合は、別途受け取る旨の明瞭な表示がない限り不正確な表現にあたり、実費を別に受け取る場合はその旨を明記することが望ましいとされています。報酬ページでは、着手金・報酬金・実費・日当を分け、税込か税別か、いつ払うかまで書きます。

使う言葉に注意(指針第3の13)

「最も」「一番」などの最大級、「完璧」「パーフェクト」などの完全を意味する用語、「信頼性抜群」「顧客満足度」などの実証不能な優位性を示す用語、「常勝」「不敗」などの結果を保証・確信させる用語は、文脈により違反となり得るため、使用に十分注意するよう求められています。キャッチフレーズも、事実に反しない限り「懇切丁寧にやります」「モットーは迅速第一」のような表示は許されるとされていますが、抽象的で説明が不十分なものは誤解や過度な期待を与えかねないとされています(指針第3の10)。

弁護士サイトの確認表

  • 「専門」「スペシャリスト」などの語を、「取扱い分野」「得意分野」「積極的に取り組んでいる分野」に置き換えた
  • 勝訴率を載せていない
  • 顧問先・依頼者名、受任中・過去の事件を載せる箇所は、書面又は電磁的方法による同意があり、同意の範囲・有効期限を明示して得ている
  • 解決事例・お客様の声は実在の事案・依頼者のもので、結果を脚色していない
  • 相談実績の件数は、期間と数え方を注記している
  • 報酬は種類・金額・算定方法・支払時期を分け、実費を別に受ける場合はその旨を書いている
  • 氏名と所属弁護士会(法人は名称・主たる事務所・所属弁護士会)がサイトに表示されている
  • 広告物の記録と同意書を、広告終了から3年間保存する体制がある

税理士・行政書士・社労士の場合:所属会の会則・倫理で確認すること

税理士・行政書士・社労士にも、それぞれの連合会の会則や倫理に広告と報酬に関する定めがあります。ここでは、2026年9月29日時点で連合会の公式サイトの原文で確認できた条文だけを挙げます。各都道府県の会には、さらに細かい規則や指針がある場合があります。所属する会の会則・規則を確認してから掲載してください。

税理士

日本税理士会連合会の会則は、第59条の2で、税理士会の会員は税理士の業務において不当勧誘、不当広告、報酬額の不明示等その他相手方等の利益を害するおそれがある行為をしてはならないと定めています(前掲の日本税理士会連合会会則、2026年9月29日確認)。WEBサイトに置き換えると、事実と異なる実績や誇大な表現を避けること、報酬の額や算定の考え方を示すことが、この条文の求める方向です。所属する税理士会の会則・綱紀規則・広告に関する細則もあわせて確認してください。

行政書士

日本行政書士会連合会の「行政書士倫理」は、第10条で、行政書士は不当な目的を意図し、又は品位を損なうおそれのある広告宣伝を行ってはならないと定めています。第16条では、事件の受任に際して、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当な報酬を提示しなければならないとされ、第3条では業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならないことが確認されています(行政書士倫理(日本行政書士会連合会)、令和2年4月24日改正、2026年9月29日確認)。行政書士は扱う手続きが幅広いため、サイトでは「どの手続きに対応し、報酬と法定費用(証紙代・手数料)を分けていくらか」を手続きごとに示す形が、第16条の趣旨にも合います。

社会保険労務士

全国社会保険労務士会連合会の会則は、第43条の4で、業務の内容・報酬等など相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について不実のことを告げ、又は故意に事実を告げずに勧誘するなど不当な方法で依頼を勧誘してはならないこと(第1項)、誇大若しくは虚偽の事項により相手方を欺くおそれがある方法で広告又は宣伝を行ってはならないこと(第3項)、相手方の承諾を得ずに電子メールにより広告を送信してはならないこと(第4項)を定めています(全国社会保険労務士会連合会会則、2026年9月29日確認)。助成金の受給額や労務トラブルの結果を断定的に書く表現は、第3項に照らして見直しの対象になります。サイトのフォームから集めたメールアドレスへ案内を送る場合は、送信の承諾をフォームで得ておく設計が必要です。

ほかの士業と、会ごとの規則

司法書士など、ここに挙げていない士業にも、所属する会の会則や倫理規程に広告の定めがあります。また、都道府県の会が独自にWEBサイトの作成指針を出していることもあります。掲載前に、所属する会の会則・規則の原文を確認してください。

解決事例・お客様の声・クチコミ表示と守秘義務

守秘義務の条文

解決事例やお客様の声を載せるときの土台は、各法律の守秘義務です(いずれも e-Gov 法令検索、2026年9月29日確認)。

士業 条文 内容の要旨
弁護士 弁護士法第23条 弁護士又は弁護士であった者は、職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う
税理士 税理士法第38条 正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなった後も同様
行政書士 行政書士法第12条 正当な理由がなく、業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も同様
社会保険労務士 社会保険労務士法第21条 開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくて、業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。その立場でなくなった後も同様

使用人・従業者にも同様の義務が定められています(税理士法第54条、行政書士法第19条の3、社会保険労務士法第27条の2)。事務所のスタッフが事例やお客様の声を編集する場合も、同じ前提で扱います。

事例とお客様の声の書き方

  • 同意を得る。 弁護士は規程第4条により、書面又は電磁的方法による同意が要ります。指針は、同意の範囲・有効期限その他必要な事項を明示して得ること、過去の顧問先・依頼者を表示するときはそのことを明示することを求めています(指針第4の3)。ほかの士業も、依頼者本人の同意を文書で残す運用が守秘義務の観点から安全です。
  • 特定されない形にする。 業種・年代・地域・金額を丸めるなど、本人や相手方が特定されない書き方にします。弁護士の場合、依頼者が特定されずかつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合は例外にあたりますが、指針は「単に依頼者名が表示されていないというのみではなく」実際に特定されていないかを個別に判断するとしています(指針第4の4)。
  • 結果を盛らない。 弁護士の指針が挙げるとおり、表示どおりの解決ができなかった事例の脚色や、実在の依頼者が関与していないお客様の声は、事実に合致しない広告にあたります。ほかの士業でも、会則の誇大・虚偽の禁止に触れます。
  • 「同意を得て掲載」と添える。 読む側にも、守秘義務を守っている事務所だと伝わります。

Googleクチコミをサイトに表示するときの注意

Googleビジネスプロフィールのクチコミをサイトに連携表示する機能があります。載せる場合は、2023年10月1日に施行された景品表示法のステルスマーケティング規制を確認してください。規制の対象は、事業者が自己の供給する商品・役務について行う表示なのに、一般消費者にはそれと判別することが困難な表示です(ステルスマーケティング規制(消費者庁)、令和5年内閣府告示第19号、2026年9月29日確認)。同ページから読める運用基準では、第三者が自らの嗜好等により自主的な意思で行った表示は事業者の表示にあたらない一方、事業者が第三者に依頼して口コミサイトなどに表示させる場合や、対価を提供するなど事業者が表示内容を決定できる程度の関係性がある場合は事業者の表示になるとされています。自社のWEBサイトに第三者の表示を載せる場合については、恣意的に抽出せず(例:評判を上げる意見だけを選ばず)、内容を変えずにそのまま引用する場合を、事業者の表示にあたらない例として挙げています(運用基準 第2の2)。

つまり、クチコミを載せるなら、高評価のものだけを選んで表示する設定や、一部だけを切り取る編集は避けます。割引や謝礼と引き換えに書いてもらったクチコミを、そうと分かる表示なしに載せることも避けるべきです。弁護士は加えて、著名人・依頼者など第三者の談話・証言・推薦文が広告中にある場合、全体として弁護士の広告と認められれば、その推薦文も含めて規程に違反していないかを判断するとされています(指針第2の1(2))。クチコミの集め方と返信の型はGoogleビジネスプロフィールと公式サイトで地域集客を強くする方法にまとめています。

士業サイトに足す機能と費用の目安

ここからは当社(NorenUp)で制作する場合の費用です。金額は税別で、ベース(サイト全体をどう整えるか)を1つ選び、必要な機能を足し算します。大手WEB制作会社の目安(当社調べ、2026年9月時点)を並べています。

相談を受ける機能

機能 士業サイトでの使い方 費用の目安 大手WEB制作会社の目安
高機能フォーム 分野を選ぶと質問が変わる相談受付、自動返信、利益相反の確認項目 8〜13万円 30〜100万円
かんたん見積もり・診断フォーム 分野と金額を入れると着手金・報酬金の目安が出る費用シミュレーター 5〜8万円 20〜55万円
予約・空き枠管理 相談日時をカレンダーから選んで予約 20〜32万円 80〜500万円
イベント・セミナー申込 相談会・セミナーの日程公開と申込受付 13〜20万円 50〜250万円
自分で更新できる管理画面(CMS化) 解決事例・コラム・お知らせを事務所で追加・編集 13〜20万円 50〜200万円
選択式チャット案内(AIなし) 選択肢を押すだけで相談分野と入り口を案内。回答がぶれない 13〜20万円 50〜100万円
AI接客・FAQ よくある質問への自動応答(一次案内であることを明記) 25〜40万円 100〜500万円
LINE連携 LINEからの相談受付と日程の連絡 10〜16万円 50〜200万円
クチコミ・評価連携表示 Googleクチコミをサイト上に表示(前章の注意を確認) 5〜8万円 —

法律相談の一次案内にAIを使う場合は、法的な判断をさせず、相談分野の振り分けと受付案内に役割を限定する設計にします。

弁護士が診断・シミュレーター型のページを置く場合は、日弁連の指針も確認してください。指針は、借入額などを入力するだけでは事件の処理方針等を判断できないのに判断できるかのように誤信させる「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」の類を誤導の例に(第3の3(7))、どう入力しても「減額になる可能性があります」と表示して依頼を勧誘するものを誇大な広告の例に挙げています(第3の4(4))。また、こうしたページで連絡先を入力させても、それが相談の申込みだとページ上で明確でなければ、入力した人は依然として「面識のない者」にあたり、電話やメールで勧誘すると規程第5条に違反するとしています(第5の1(3))。費用シミュレーターを置くなら、出すのは事務所の料金表に基づく費用の目安にとどめ、解決の見込みや回収額を示さない設計にし、連絡先の入力欄には「相談のお申込み」であることを明記します。

ベースの選び方と組み合わせの例

  • 今のサイトはそのままで機能だけ足す:初期費用は0円で、機能ごとの費用だけです。今のサイトを活かし、環境構築・現状調査・テストにも費用はいただきません。デザインの作り直しは含みません。例:相談フォーム+費用シミュレーターで13〜21万円。
  • ライトリニューアル8〜12万円:今あるページの見た目・スマホ表示・問い合わせ導線を整える軽めの刷新です。ページの新規追加や構成の大きな変更は含みません。
  • 標準リニューアル25〜40万円:下層ページも含めWordPressで作り直し、情報の並び替え・動線の見直し・SEOの初期設計まで行います。例:標準リニューアル+高機能フォーム+CMS化で46〜73万円。
  • 本格リニューアル50〜80万円:競合・課題の整理から、構成・文章・写真の見せ方まで業種に合わせて全面的に作り直します。予約などの機能や撮影は含まず、別に足します。例:本格リニューアル+予約・空き枠管理で70〜112万円。
  • 新規WEBサイト制作25〜40万円:ページが無い状態から、構成・デザイン・WordPress・問い合わせ導線まで新規に構築します。
  • 公開後:標準保守月1万円〜(更新、バックアップ、セキュリティ確認、小さな修正は月5回まで、運用相談)、改善運用月3万円〜(保守に加え、アクセス確認、SEO・導線改善、ページ改善を継続)。

大手WEB制作会社の目安は、標準リニューアルで100〜500万円、本格リニューアルで300〜1,000万円(当社調べ)で、当社の価格はその約1/5を目安にしています。組み合わせごとの概算はかんたん見積もりで出せます。費用の全体像はWEBサイトのリニューアル費用の相場と内訳にまとめています。

相談フォーム・費用シミュレーター・料金表・解決事例・アクセス地図を1つのサイトにまとめた形は、士業サイトの制作デモで操作できます。架空の法律事務所を題材にした制作デモで、実在の事務所ではありません。制作の進め方は士業のWEBサイト制作、機能の動きはできること(機能の実例)をご覧ください。

公開前の確認表

  • 初回相談の料金と時間、報酬の区分、相談の流れがトップページから1クリックで届く
  • 持ち物・所要時間・オンライン対応・守秘の扱いなど、相談者の不安への答えがある
  • 分野は「誰の・どんな困りごと」で入り口を作り、弁護士は「専門」の語を使っていない
  • 相談の入り口(フォーム・電話・予約・LINE)が同じ受付に集まり、返信の目安が書いてある
  • 解決事例・お客様の声は同意を得て、特定されない形にし、結果を盛っていない
  • 所属会の会則・規程の原文を、掲載前に最新版で確認した
  • スマホで読みやすく、表示が遅くない

最後の項目は、サイト無料診断にURLを入れると、表示の速さ・スマホ対応・画像の重さ・検索の基本(ページの題名・説明文・画像の説明文)・安全な接続(https)を無料で採点できます(登録不要)。スマホで事務所サイトを開いた相談者が、待たされずに読める状態かを確かめる目安になります。

よくある質問

Q. 料金を載せると、安さで比べられませんか?

比べられる可能性はあります。ただ、料金が分からないと相談者は次の一歩を判断できず、規程の面でも、弁護士は報酬基準の備え置きと説明義務、報酬情報の開示・提供の努力が求められ、税理士は報酬額の不明示が会則で避けるべき行為に挙げられています。全額を出しにくい業務は、初回相談の料金と「◯◯の場合の例」、見積もりを出す段階を書く形で、判断材料を渡すことをおすすめします。

Q. 弁護士ですが、「相続専門」と書きたいです。

日弁連の指針では、客観性が担保されないまま専門家・専門分野等を表示することは誤導のおそれがあり、表示を控えるのが望ましいとされています。「取扱い分野」「取扱い業務」は専門等の評価を伴わないため問題なく、「得意分野」も得意でないものを得意と表示しない限り違反しないとされています。相続の入り口ページを作り、見出しを「取扱い分野:相続・遺言」「得意分野」にする形が規程に沿います。

Q. 顔写真は必ず必要ですか?

必須ではありません。ただ、「この人に話せるか」という不安への答えは、担当者が誰で、どんな考えで仕事をしているかが見えることです。顔写真に抵抗がある場合は、相談室や事務所の写真、担当者の文章でのごあいさつから始める方法があります。

Q. コラムや解決事例を書く時間が取れません。

自分で更新できる管理画面(CMS化)を入れておけば、制作会社に頼まずに事務所で追加できます。書く内容は、相談で毎回説明していることを1問1答にすると、新しく調べる手間が少なく済みます。解決事例は、同意を得た案件から1件ずつ、特定されない形にして載せます。

まとめ

  • 士業サイトの要点は、料金と相談の流れ、相談者の不安への答え、迷わない相談の入り口の3つ
  • 弁護士は日弁連の規程・指針を確認。「専門」は控えるのが望ましく、勝訴率は表示できず、依頼者・事件の表示には書面又は電磁的方法による同意が要る
  • 税理士・行政書士・社労士は、連合会の会則・倫理に不当広告・誇大広告の禁止と報酬提示の定めがある。所属会の規則もあわせて確認する
  • 解決事例・お客様の声は守秘義務の条文を土台に、同意・特定されない形・結果を盛らない、の3点で
  • 費用は、作り直すならベース1つ+機能の足し算。今のサイトに相談フォームを足すだけなら初期費用0円で8〜13万円。規程の内容は掲載前に最新版で確認する

問い合わせ導線の改善全般は問い合わせが来ないWEBサイトの共通点と改善策もあわせてご覧ください。

「相談につながるサイトにしたいが、規程の範囲で何をどう載せればよいか分からない」——今のサイトの構成と、所属会の規程に照らして直す箇所を整理してご提案します。お問い合わせよりご相談ください。